◆はじめに

　絵本を含めた出版業界の不況により、新規の作家を起用して絵本を出版するということが大変難しい時代となり、新作のほとんどが有名作家によって作られる状況が続いています。出版業界もリスクを負えないことは理解できますが、このままの現状ではいつまでたっても新人が日の目を見ることは遥か遠い夢であります。

◆目的

　そこで絵本というジャンルでありながら、これまでの絵本とは全く異なる「くるくる絵本（英名rolling book）というものを開発し、それと同時に新たなマーケットをも開拓しようと試みています。これによって新人クリエイターたちにビジネスチャンスを与えるという目的で、このたびコンペを開催する運びになりました。

◆商品概要

　このくるくる絵本は日本古来からある絵巻物をアレンジし、透明な装置に入れることによっていつでもどこでも読むことができ、コンテンツを入れ替えることによって様々な種類の絵本を楽しむことができます。よってこれまでの「めくる」から「流れる」ような読み方ができるのが大きな特徴です。更には

①左右どちらからでも読むことができ、日本語の縦書きと英語の横書きに対応。

②コンテンツを裏面印刷すれば、裏からも読め、2編や長編も可能。

③本体を縦にして「上から落ちる」や「下から生える」ようなストーリーが展開できる。

④吸盤付オプション（飛行機や子供のシルエットなど）を付けることによって立体的な表現が可能。

⑤見せたい場面をインテリアスタンドとして活用出来る。

⑥紙芝居としての利用も可能。

など、これまでの絵本にはない、多くの特徴があります。

　今回このくるくる絵本のコンテンツを募集し、毎年3月末に開催されるイタリアのボローニャ国際絵本見本市に出展し、まずは世界から売り込んでゆきたいと思います。